皆様、はじめまして。

株式投資に関する専門的な情報は他のコラムライターにお任せするとして、
私は、私が日々、個人投資家の皆様と接している中で、お客様から伺った「リアル」な「あるある」系のお話をご紹介し、
ホンネとタテマエとか、資産形成と資産運用とか、個人投資家と機関投資家とか、
テーマ・命題間の「温度差」にこそ着目して、「あるべき論」に基づいて問題提起を行い、
できうるならば、そこから投資アイデアにつながるような話をご提供出来たらと存じます。
知ってて損はないような話を取り上げたいと思いますが、読んで即実益に繋がる類のコラムではないかもしれません。
どちらかと言えば、株式投資に臨む「心構え」的なお話が中心だという事を、予めご承知おきいただければ幸いです。
第1回は昨今、頻繁に目に、耳にする「貯蓄から投資へ」について触れてみたいと思います。

「貯蓄から投資へ」と言われて久しいですが、「言うは易し」感満点(笑)のこの「大命題」、
個人投資家の皆さんは一体どうお考え・お感じになっているのでしょうか?
超低金利下で、「銀行にお金を預けておくくらいなら、自分で投資行動を取った方が良い」とお考えの方は果たして、
「少数派」なのか「大多数」なのか?

確たるデータではありませんが、複数の大手銀行が顧客向けに株式投資について行ったアンケートでは、
「銀行の普通預金利回りが7%~10%であれば株式投資はしない」という個人投資家の回答が多いのだそうです。
また、例えば「マンション大家さん」等で知られる不動産投資でも、年利5%~10%の運用成績であれば上出来とされ、
主に株式投資を行う「ファンド」も、年間でプラス10%のパフォーマンスであれば、そこそこの評価が得られているように思います。
ただし、不動産ファンドも、株式ファンドも、高利率を目指しているような金融商品は得てして、
投資元本が1億円以上等、「少数派」の「富裕層」向けである事が多く、
「大多数」の方々の「貯蓄」の受け皿としては全く機能していないように思います。

「仕事を頑張って数万円の余資ができたから株式投資を始めてみたい」
「でも普段は仕事で1日中相場動向をチェックするのは無理」
「銀行の普通預金金利を上回り、できれば年利10%以上を狙い、願わくば投資元本を倍にしたい」
「キャピタルゲインにこそ狙いたいんだけど、投資元本は守りたいので、リスクとリターンのバランスが大事」
こんなスタンスの方々が、「大多数」なのではないでしょうか?

証券会社はじめ、金融商品取引業者は、少額投資非課税口座NISA等を整備し、「貯蓄から投資へ」をスローガンに、
個人投資家からの「貯蓄」や「タンス預金」を、株式市場に誘導しようとやっきになっていますが、
「私、ポケモンのファンで、ポケモンにはまだまだ未来を感じるので、任天堂買ってみたいです」という個人投資家は、
NISAではモチロンの事、株の現物取引では任天堂株を最低単位(100株)すら購入するのが難しい。
NISAでは信用取引もできません。
「大多数」なハズの個人投資家に馴染み深いハズの、「ユニクロ」で有名ななファーストリテーリング株も、
やはり少額投資には「高嶺の花」であるのが現状です。

となると、馴染みが薄い、どういう事をやっている会社なのかを良く知らない企業の株でも、
値動きにこそ着目して、投資情報サイトやネット上の「掲示板」だかを参考に手を出し(笑)、一喜一憂するというのが「大多数」でしょう。
ともすると、大原則なハズのファンダメンタル分析はそっちのけで、1日中株価の値動きとにらめっこ、
もはや、投資でなく投機、マネーゲームの様相を呈しているかもしれません。

つまり、「貯蓄から投資へ」の大命題は、金融商品取引業者にとっては、単なる営業上の「キメ台詞」に過ぎず、
上場企業、取引所、関係省庁は少額投資に向けて制度上は「一応」整備ができてますよ、と「言い訳」するだけで、
かつ、個人投資家の皆さんは、株式投資よりもマネーゲーム志向が強い・・。
「貯蓄から投資へ」なんて浸透・進行するわけもないワケです。
結局、「銀行にお金を預けておくくらいなら、自分で投資行動を取った方が良い」とお考えの方々は、
「少数派」のまま、なかなか増えないのが現状でしょう。

私は20年以上、主に外資系の証券会社で、機関投資家向けの株式営業に携わってまいりましたが、
近年まで、個人投資家の皆さんに接する機会はほとんどありませんでした。
金融法人向けの株式営業ならば、いわゆる一様に「プロ」相手ですので、
情報のインプット役に徹すれば、そうした情報の分析能力や投資判断能力はお客さん側が十分お持ちになられているわけですが、
個人投資家相手の株式営業や投資助言は、お1人お1人のご事情やご都合や投資に対する理解度や経験やスタンスが異なるがゆえに難しい。
「ベンチマーク運用」などではなく、完全に「アブソリュートリターン」が求められ、かつ、投資元本も少額という制限付き・・。
個人投資家の皆さんに対する株式営業・助言は、むしろ、機関投資家向けのそれよりも遥かに高度なスキルが求められる、
「究極の営業」と言えるかもしれません。
皆さんと共にゼロから勉強し直すつもりで臨みたいと思います。

 

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投資助言営業マンのコラム

弊社の投資判断・分析者の投資推奨には絶対の自信を持っておりますが、またその一方、助言業務の営業をやっていますと、お客様から学ぶことも多々ございます。考えてみれば日本の中小型株は個人投資家こそが主役のマーケット。助言者としてアドバイスしながらも、主役たるお客様との情報交換を通じて得たマーケットの全体感や今ホットなテーマ、個別株などを情報を、リアルタイムでお伝えしていこうと思っています。