株式投資をなさっている個人投資家の皆様に、日々投資助言させていただいておりますと、
「ん?」と不思議に思う事がままありますので、本日はそのお話をご披露したいと存じます。

一番気になるのは、私達のような投資助言会社がお客様に、売り買いのご助言を行う際の「言い方・言い回し」と、
お客様から売り買いの結果をご連絡をいただく際の「言い方・言い回し」です。
「そんな細かい事、ど~でもいいじゃねぇ~か!」と思われるやもしれませんが、
これ、間違いやトラブルの元にもなりかねませんから、コンプライアンス的見地からもそこそこ重要です。

「郷に入っては郷に従え」というくらい、
株式相場、証券市場には、古くから踏襲されている「アタリマエ」の「言い回し」が存在します。
で、これが、非常に的を得ている「言い回し」であるハズなのに、アタリマエであったが為に「暗黙のルール」化し、
「暗黙」な為に誰も間違いを指摘しないまま「形骸化」し、結果、間違えた認識が横行し、危険なように思います。
知ってるつもりで実は知らなかった事を、今一度ご確認なさってみていただく為にも、
この種の話は定期的にご紹介しようと思っております。

さて、「約定」、これ、なんと読むのか、発音するのか、ご存知でしょうか?
「やくてい」ではなく、「やくじょう」と読み・発音します。
実は昨今、証券会社店頭での「対面形式」での発注、証券会社に電話しての口頭発注に代わって、
ネット証券のトレーディングアプリ等を使用してのPC・スマホ発注が主流になりつつあるために、
30歳代、40歳代の方々の中には、口頭発注のやりとりの経験がゼロという方々も少なくありません。
シニア層の個人投資家の方々にはアタリマエでも、実際に私が担当させていただいております複数のお客様から、
「やくてい」という言葉をよく耳にするのが現状です。

では、他方、口頭発注にこそ慣れておられるシニア層の個人投資家の方々は、
ネット証券、特にFX等の取引手法から派生した、トリガー系のロスカットオーダー発注形態である、
「逆指値成り行き注文」という発注方法をご存知でしょうか?
「はぁ?指値なの?成り行きなの?」(笑)

そもそも「約定」という言葉は、読み書きの際に使われる「文語体」表現でありまして、
実際に口頭でのやりとりで使われる「口語体」ではありません。
「買:日立 500株@4000円 約定」は、「売買報告書」等で使われる「目で見て読む」「文語体」で、
「口語体」の「出来伝報告=売買結果連絡」ならば、「買いで日立、4000円で500株買いました」となるわけです。

同様に、「逆指値成り行き注文」も「口語体」的ではなく、口頭発注がネット発注に変化したゆえの産物と言えましょう。
「目で見て読んで」売り買いの発注をするのは、「耳にして口にして」売り買いの発注以上に危険です。
ボタンを押し間違えただけで、最も重要な売り買いの区別や数量、現物と信用の区別、成り行きと指値の区別さえも、
間違ってしまう可能性が高まってしまいます。
証券会社のトレーディング担当者が売り買いするのではなく、投資家がそのまま売り買いをする時代です。
便利になるのは良いのですが、便利過ぎる事は同時に危険も孕んでいるわけですね。

私の担当させていただいておりますお客様から聞いた、ホントにあった、ウソのような話(笑)。
過去に、とある銘柄を2800円買いコストで500株保有していたところ、
株価が3030円の時に他社投資顧問会社から、「じゃあ、3000円で200株出しといてください」と言われ、
3000円指値で200株の売りを出して3024円で売れたところ、
「約定できました?」と訊かれ、はい、約定できましたとお答えになられたそうです。
1か月半後にその銘柄が3300円まで株価が上昇した際、今度は「全部売ってください」と言われ、
残り300株を成り行きで売り、3295円で売れたところ、投資顧問会社から連絡がきて、
「いやぁ、良かったですね~。
 2800円で500株、3000円で200株、計700株買って、3300円で700株全部売って、31万円儲け!
 成功報酬として6万2千円を振り込んでくださいね~」(笑)
投資顧問会社、お客様共に、口頭発注時、口頭連絡時の「言い方・言い回し」の大前提を理解していないがゆえの、
勘違いがトラブルに発展してしまう実例です。

証券会社でお客様に接する営業員は、証券外務員資格を取得し所属する証券会社経由で証券業協会に登録を行わねばならず、
定期的な研修を通じて、法令やルール、モラル、マナーの全てを遵守する事が求められます。
他方、投資顧問等の助言会社の営業員個人ベースには、なんら資格取得登録は求められません。
乱暴な言い方で恐縮ですが、金融業界での勤務経験が無くてもお客様に対し投資助言できてしまうのが実状でしょう。
私は、私達は、弊社は、証券会社勤務で培ってきた法令、ルール、モラル、マナーの全てを遵守する姿勢で行動し、
全力で、個人投資家の皆様の金融リテラシー向上のお手伝いをさせていただく所存でおります。
「目で見て読んで」知っているつもりの方々には、「やくてい」などどおっしゃっていただかぬように(笑)、
「耳にして口にする」事には慣れている方々には、「逆指値成り行き注文」さえ発注できるテクノロジーの現状をご理解いただけるように、
資産形成や資産運用に臨む際に、その「手法や手段」を学ぶよりも先に、相場に臨む「姿勢や覚悟」につながるような、
「ちっちゃい勘違い」こそをまずは認識して修正していただく事を、今後も口やかましく(笑)ご指南申し上げたいと存じます。

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投資助言営業マンのコラム

弊社の投資判断・分析者の投資推奨には絶対の自信を持っておりますが、またその一方、助言業務の営業をやっていますと、お客様から学ぶことも多々ございます。考えてみれば日本の中小型株は個人投資家こそが主役のマーケット。助言者としてアドバイスしながらも、主役たるお客様との情報交換を通じて得たマーケットの全体感や今ホットなテーマ、個別株などを情報を、リアルタイムでお伝えしていこうと思っています。