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【総評】  

GPIF 2023年度 業務概況(公表は7月5日引け後) (詳細編) 

GPIFポートフォリオ全体では、各資産への配分・回収は、配分が国内債12.5兆円、外債2.8兆円、回収が国内株-8兆円、外株-6.8兆円であった。上昇が目立った株を落として債券を買ったという構図である。

注目されていたアセット間のアロケーション変更については、何も触れる事はなかったが、過去、<事前予告は無い>ので、当たり前のことである。ただし、依然として引き上げ論も根強く、日本株中央値25%→30%(買い余力約10兆円)の声が聞こえる。

しかし、ウエイト引き上げはハードルも高く、簡単では無いだろう。尚、公表されるとしたら、2014年のように、タイミングとしては10月頃と思われる。このようなスケジュールとなった場合、GPIFは前倒しでウエイト引き上げの行動をとるであろう。痕跡は<投資主体別>などから判断していくことになる。

 

国内株において、20233月末から20243月末では、TOPIX38%の上昇となっており、配当なども考慮すれば、国内株は4割のリターンであった。

 

今回2023年度末(20243月末)の日本株のアクティブ vs パッシブは95.6vs 4.4%となり、昨年度末93.5% vs 6.5%に対し、パッシブ比率が若干上昇した。

運用タイプ別の売買動向において、TOPIXパッシブが5.4兆円の売却と国内株全体の売却の7割を占有している。実際そうした動きがマーケットで見えていたため、アクティブのウェートが増しているというイメージがあったが、少し意外な結果となった。

 

パッシブでは、ESG系への配分が継続された。日本株のウエイト調整にはTOPIXパッシブを活用する(今回は売却)ということであろう。

アクティブからは、差し引きで1.8兆円の売却があり、既存の運用で3.3兆円の売却、12月スタート新運用で1.6兆円の配分となっている。アクティブでは、既存のまとまった運用(数千億円レベル)の金額圧縮が目立った。既存のアクティブ運用は運用フィーが高めと思われるが、新運用は成功報酬型の運用フィーとなっており、もしかしたら、古くからの運用は、新運用に切り替えられるのかもしれない。2023年12月スタートのアクティブ・ファンドへの資金流入は、2024年度以降、再配分が実施されていると思われ、足元で運用額が増加している可能性が高く、想定の1.5兆円~2兆円の上限近くとなっているだろう。

 

解約関係では、国内株式においては、パッシブ1ファンド、アクティブ1ファンドが解約となった。

パッシブの解約は前年比で残高ゼロとなったREITパッシブ、アクティブの解約はおそらくRNSMをベンチマークとしていた運用であろう。 

REITに関しては、GPIFの方向性が垣間見える。ベンチマークのユニバース変更で話題となった、MSCI 女性活躍指数や、ESGセレクトでは、REITがユニバースから除外されている。市場全体でも、時価総額低下の影響で、MSCIそのものからREITの除外が相次いでいる点も気になるところだ。

GPIFはREITに関しては上場REITで運用せず、オルタナで不動産投資をする方針であろう。

 

投資主体別売買状況・現先合算(71週)-日経平均大幅高のなか海外の大幅買い越し続く

7月第1週(7/17/5)の現物と先物の両取引を合算した投資主体別の売買は、海外が2週連続の買い越し(+8,800憶円)、個人は2週連続の売り越し(-4,900億円)となった。

同週の日経平均は大幅高。今年3月に付けた史上最高値を上回り、TOPIXもバブル期の高値を上回って史上最高値を更新。

両指数が大幅上昇となるなかで、海外投資家は現物(+1,800億円)先物(+7,000億円)ともに大幅に買い越し。個人は現物(-5,000億円)を中心に大幅に売り越した。

信託銀は日経平均先物を中心に大幅な売り越し(先物‐4,400億円、現物+500億円)。個人に次ぐ売り主体2位(ネットで-3,900億円)となっている。

 

1】現在進行中のインデックスイベント 

2】今後のインデックスイベント

3】スケジュール一覧

 

 

1】現在進行中のインデックスイベント 

  • TOPIX7月30日FFWリバランス/ FFW10-12月決算銘柄定期見直し公表7月5日

FFW見直しリバランス(10-12月決算銘柄定期見直し)が公表されている。

リバランスは片側4,400億円、元々は買い越しリバランスであるため、売り方向ではTOPIXを広く浅く売ることとなる。

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収益機会として日経平均のリバランスを利用したトレードははあまりにも有名ですが、TOPIXについても収益のチャンスは大きいといえます。また違った切り口でのインデックス投資のニーズが機関投資家から年々増すとともに、MSCI(サブシリーズ含む)、FTSEはその残高を増やし、そして新たに生まれたスマートベータインデックスも重要度が増しています。このコラムではそうしたインデックス(主にリバランス)についての分析、そしてそれを投資に生かす提案を行います。

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