始めにお読みください:インデックス・イベント投資塾 用語説明 / インデックス・イベント手引書

 

【総評】    

 投資主体別売買状況・現先合算(82週)-日経平均、史上最高値更新 海外が1.8兆円買い越し

8月第2週(8/1215)の現物と先物の両取引を合算した投資主体別の売買は、海外が2週連続の買い越し(+17,600億円)、個人は2週連続の売り越し(-10,800億円)となった。

同週の日経平均は大幅高。2024711日につけた42,224.02円を上回り史上最高値を更新し43,000円台乗せ、週間では1,500円超の上昇。

主体別では海外が先物(+11,900億円)を中心に大幅に買い越し※。個人は史上最高値圏で現物の売り(-11,300億円)が優勢となった。

 

財務省ベース(先物含まず/OTC&ETF含む)における非居住者が1.1兆円超の買い越しとなっており、1兆円を超えるのは4月以来となる。

4月は、3月配当クロスの打ち返しの特殊要因であり、今回は特にテクニカル要因は存在しない中での1兆円買い越しは意義が大きい。

4月の1兆円超え以降は9週間連続の買い越しとなった経緯もあり、しばらくは海外資金の流入が期待できよう。

 

GPIFの日本株のウエートは26%に近いと思われ、今年度のバッファー±1%(ウエート24%26%)から、ウエート調整売りがいつ出てきてもおかしくないのだが、今のところ観察されていない。

まだ自信が持てないが、バッファーの拡大(±1%→±2%)が適用されている可能性がある。

仮に+2%まで拡大すると、日本株の売りが出てくるTOPIX価格は、3,230-3,260ptと算出される。

 

1】現在進行中のインデックスイベント 

2】今後のインデックスイベント

3】スケジュール一覧

 

 

1】現在進行中のインデックスイベント 

  • MSCI 8月定期リバランス(8/26)|公表8/8   

MSCI Japan Standard(カレンダーの都合で8/26

スタンダードの出入り銘柄は以下の通りですが、日本株全体としては、300600億円の資金流出が見込まれています。

なお、ファクターインデックスのリバランスも実施されますが、影響は大きくないため割愛します。

除外:リコー(7752)、オムロン(6645)、ホシザキ(6465)、小野薬(4528)、電通(4324)

1日平均売買高の1~5日分

採用:良品計画(7453)、川重(7012)

1日平均売買高の1~2日分

 

  • TOPIX_8月 リバランス(8/28

8月のTOPIX月末リバランスは微調整にとどまると見られます。

今月は、四半期ごとのFFWリバランスとは異なり、通常の月末リバランスとなります。

メインは新規採用銘柄(買い方向)のライフネット生命(7157)で、想定買いリバランス株数は約540万株・130億円となります。一日平均売買高に対して、16日分と影響はある程度ありそうです。

売り方向は、LINEヤフー(4689)が中心で、想定売りリバランス株数は約1,400万株・70億円・ 0.4日分と影響は軽微です。売り方向は、その他、TOBによるFFW低下銘柄などが含まれますが、これらの銘柄のインパクトはありません。

その他、買い方向の金額に対して不足分は、TOPIX全体を広く浅く買うことになります。

尚、月末調整が8/20に公表されていますが、全体で買い方向16億円程度と影響はありません。

 

  • JPX400定期入替(8/28

年一回の定期入替となります。JPX400は、いわゆるスマートβと言われるパッシブ・ベンチマークです。

一時期、GPIFでも採用されていましたが、全て解約されて数年経過している事もあり、注目度が低下しています。

しかし、インデックスイベントのセオリーでは、注目されていないリバランスは順方向で決着しやすいので、注目しておきたい案件です。

 

特徴としては、定期入替えが年一回であり、売買代金回転率(=ターンオーバー)が大きい事、運用規模は、ETF中心に5兆円と少なくない事、そして、冒頭に記した通り、注目度が低い事・・・が挙げられます。

 

今回のリバランスは、ターンオーバー片側7%強・金額3,600億円と想定されており、決して無視できるサイズではありません。

売り銘柄上位は、武田、任天堂、重工、ソニー、京セラ、NTTデータ(TOB銘柄)、買い銘柄は、SBGIHI、トヨタ、物産、信越、JR西などとなっています。

 

 

2】今後のインデックスイベント

  • 先物ロール(メイン9/8-10 | SQ  (9/12

 

  • 配当再投資先物買い(メイン9/26)|権利付き最終(9/26

 

  • TOPIX_9月 リバランス(9/29

 

  • 日経平均定期入替え(9/30

 除外候補:カナデビア(7004)(株価換算係数0.2:想定リバランス株数600万株)、オークマ(6103)(同0.4:想定リバランス株数1,200万株)、トクヤマ(4043)(同0.2:想定リバランス株数600万株)

 採用候補:SHIFT(3697)(同1.0:想定リバランス株数3,000万株)、パンパシ(7532)(同1.0:想定リバランス株数3,000万株)

確定分の買い:ベイカレ(6532)は分割採用の2回目、想定リバランス株数1,500万株

 

 

【3】スケジュール一覧

 

 

無料メルマガ登録

無料メルマガでは、プロが選んだ推奨銘柄やマーケットコメントなど、株式投資をする上で役に立つ情報を配信
ご登録は、以下にメールアドレスをご入力ください:

個人情報保護方針を確認し、同意する。

The following two tabs change content below.

インデックス(リバランス)分析のコラム

収益機会として日経平均のリバランスを利用したトレードははあまりにも有名ですが、TOPIXについても収益のチャンスは大きいといえます。また違った切り口でのインデックス投資のニーズが機関投資家から年々増すとともに、MSCI(サブシリーズ含む)、FTSEはその残高を増やし、そして新たに生まれたスマートベータインデックスも重要度が増しています。このコラムではそうしたインデックス(主にリバランス)についての分析、そしてそれを投資に生かす提案を行います。

最新記事 by インデックス(リバランス)分析のコラム (全て見る)