これほど上がるとは思っていませんでしたが、本日の日本株はしかし想定通り上昇となりました。
日経平均は、急ピッチの上げの後の5/24の下げ、戻した後の5/31の急落、特に5/31はセリングクライマックス的になったようですが、そうした売りをこなしてリバウンドしていく、綺麗なブルマーケットになっています。
以前も少しコメントしましたが、ここから上げていくと買っていかないといけないとしていたラインが、日経平均で大体31,000円ぐらいでした。(弊社は1/4に想定していた高値のメド30,300円を、5/17に需給主導なのであまりメドというのはないが、30,700円から31,200円を次の高値のメドとしていました。)
証券会社や機関投資家が考えていた今年の高値のレベルが元々は大体31,000円ぐらいでしたので、そこに向かって上昇する過程で、多くの投資家は少しづつロングを売っていって、ポジションが軽くなっていたはずです。それで下がれば下で買い戻せていいのですが、超えて上げるとなると、上で買い戻しをしなければならなくなってきます。元々の海外投資家の買いに、ポジションが軽くなっている(国内機関)投資家のショートカバー的な買いが加わり、より一層需給が良くなっていきますので上がりますし、上がれば上がるほど、焦って買わなければいけないので更に上がる、そんな展開になっています。
一方、国内公的資金の動向はというと、債券などを含んだ全体のポートフォリオで日本株のウェートが高くなり過ぎているでしょうから、半機械的に売り手となります。先週は軽く1兆円を超えて売っていたという話も聞こえてきます。しかしこれは、4月初から5月第4週まで現物株と先物を合わせて6兆2千億円弱を買い越している海外投資家の買いに、今のところ楽々飲み込まれています。
海外投資家の買いは、4月から5月(第4週)まで、現物株ベースでは約4兆円の買い越しとなっています。2012年12月からのアベノミクス相場では8か月で約11兆円、2005年8月からの郵政民営化、構造改革相場では9か月で約9兆円を買い越したと言われています。そういう意味では、まだ海外投資家の買い余力あり、上げ余地あり、ということになります。
以前少しコメントしましたが、ファンダメンタルズ分析からの株価分析の少し怪しいところ、でもしょうがないところは、このようなマーケットになると、「景気回復も見えてきたし、リスクオン気味なのでバリュエーションが(を)切り上がる(切り上げる)」ということで、適正株価が上昇するところです。EPS想定などはそれほど上がっていなくても、フェアPERが切り上がることで、適正株価は上がるわけです。証券会社各社も大体それで日経平均の高値予想を上げてきています。弊社もそれに習ってという訳ではないですが、日経平均の今年の高値のメドを33,700円としたいと思います。(それを超えると、次は36,700円となるような、後追いになってしまうのはいかんともしがたいのですが。)
(証券会社各社(2023年度内)の高値予想は大体32,000円から34,000円、2社が飛んで38,000円。)
ポートフォリオマネージャーつぶやき
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