先週の米経済指標目白押しウィークは、木曜日までは利下げを促すようないい感じの流れであったところ、一番最後かつ一番重要な米雇用統計で驚きの強い数字が出てしまいました。米政策金利の年内利下げ回数の予想は元は2~3回だったところ、1~2回の予想に後退してしまい、最後の最後でぶち壊し的な感じ。

 

非農業部門雇用者数変化で、+18.0万人予想が+27.2万と出てきてびっくりしたわけですが、しかし中身はそれほどいい(雇用が強い)感じではないという見方も出てきてマーケットは落ちつき、最終的には米金利高、米株安もそれほど大きなものにはなりませんでした。

 

それを受けた日本株は、イベント通過による安心感、円安による輸出株ポジティブ、円金利上昇による金融株、景気敏感株ポジティブといいとこどりし、日経平均+0.9%、TOPIX+1.0%と反発となりました。

ただ、東証プライム市場売買代金は今年最低となりましたし、日経平均は39,000円を少し超えて引けたものの今現在先物はまた39,000円割れとなっており、日経平均でいうと38,000円~39,000円のレンジでいまだふらふらしてるだけと言えばだけですね。

 

個別銘柄ではそれほど目立ったものはありませんでした。生成AI関連人材育成のニュースがでた日立が+4.9%で年初来高値を更新しました。スコーピオンから再度コメントが出たレーザーテックは、もう関係ないとばかりに売買代金1位で+3.3%となりました。

 

今週は、12日夜(日本時間)に米5月CPI、13日朝に米FOMC結果発表、13日夜に米5月PPI、(14日朝メジャーSQを挟み、)14日お昼に日銀金融政策決定会合結果発表と、週後半に重要なイベントが続きますので、前半は小動きでしょう。

 

12日は、大きく株価が下落するアノマリーのあるメジャーSQ週の水曜日で、重要イベント前のタイミングでもあり一応警戒せねばです。あとは、欧州議会選で右派、極右が勢力を伸ばし、仏が下院の解散を決めるなどしており、欧州市場が大きく荒れればこれも警戒ですが、こちらは現時点では様子を見る段階でいきなり何かということは無いかと思います。


中小型株のほうは、グロース250指数は+0.7%と続伸しました。上げ幅は大型株指数には及びませんでしたが、米利下げ観測が後退し、ラッセル2000指数(米株の中小型株指数)が-1.1%と下げていた中でこれは上出来です。

 

東証グロース市場でアストロスケールが、売買代金第1位と大商いで大きく反発し+23.5%となり、カバー+1.7%、エヌ・ピー・シー+5.5%、QPS研究所+3.9%と主力株強く、その他材料株系も引き続き強くと、非常いい雰囲気でした。東証スタンダード市場でも売買代金上位から、名村造船所+17.0%、サン電子+19.0%、伊勢化学+8.6%となっており、こちらも良かったですね。

 

中小型株もここから上は少し売りが出やすいところであり、今週はイベント週でもありますので、今週は下がらなければ上出来、上がってくれればそれは良しといった感じです。上手く切り抜ければ来週から本格上昇相場となる期待が高まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ポートフォリオマネージャーつぶやき

1000億円規模の投資運用を行ってきたファンドマネージャーの観点から、グローバル&日本、マクロ&ミクロ、株・為替・債券・コモディティー(暗号資産含む)・不動産を複合的に分析し、その結果を日本株の投資判断に落とし込みます。相場の流れを読み、リスクを取る局面なのかそうではないのかの判断、デルタ(リスク)の方向性とコントロールの方法、どの個別株で勝負すべきか、などの投資判断をお知らせするコラムです。 [1.日本株全体の動きとトレンドをお伝えします。 2.後場特有の大きな需給動向について、特別な状況で有り・無しがありそうな場合にはその判断もお伝えします。 3.ファンダメンタルズの裏付けが取り切れていないのだが、ポートフォリオマネージャーとして注目している銘柄を、フィーリングとスピード重視で【参考銘柄】としてお伝えします。]