ASMLの決算が予定よりも1日早く昨日発表され、その中で第3四半期(7-9月)の受注額が予想の半分程度だったり、来年の利益見通しが引き下げられたことでその株価は-16%と大幅安となり、そのため昨夜の米株市場ではフィラデルフィア半導体指数が-5.3%となるなど半導体株が大きく売られました。

 

プチASMLショックといった感じでレーザーテック-13.4%、東京エレクトロン-9.2%、ディスコ-5.8%、ソフトバンクG-4.0%と軒並み売られて地合いが悪くなり、日経平均-1.8%、TOPIX-1.2%と日本株は反落しました。

昨日とは逆でハイテク株が日経平均を大きく押し下げましたが、それに対して金融株は引き続き今日も底堅く、相場全体が崩れたという感じではなかったです。今日のところはASMLによる一時的な下げ程度で、全体の強い基調そのものは変わっていませんでした。

ただ、昨日に引き続き大引け近くでは売り圧力が観測され、需給的には良くはありませんので、スッとリバウンドして上がっていくというのも少し厳しいかなという印象です。

 

ちなみにそんな半導体株安のなかで、アドバンテストは一時今年のザラ場高値を更新し大引けは-0.1%と、異次元の強さを見せました。

ASMLの決算の内容は、生成AI用半導体は順調だが、それ以外の半導体需要が悪いということを示すものでした。エヌビディアのGPUへの半導体テスターで実績のあるアドバンテストは、他の半導体株とは違うということなのでしょう。しばらくはアドバンテストが半導体株の中心的存在となりそうです。

半導体株の今後は明日のTSMCの決算次第のところも大きいです。すぐにリバウンドに向かうのか、更なる下落があるのか、注目して待ちましょう。

 

中小型株もグロース250指数が-1.3%と反落しました。

 

11日に新規上場したオルツ+9.5%や、「農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業」の補助事業に採択があったベースフード+38.1%で売買代金1、2位となっていましたが、タイミー-4.6%、QPS研究所-6.2%、フリー-4.3%など主力が大きく下げ、個別銘柄の方が大きく下げる悪いパターンとなっていました。

 

また、TKP-14.8%、ELEMENTS-13.0%など、決算発表後に大きく売られる銘柄も目立ちます。(ELEMENTSは11日に決算発表で昨日+8.9%の後ですが。)

決算が少しだけ悪い、あるいは予想よりいい数字でも、決算が出たものはとにかく売ろうというアルゴが走っているのではないかと思うぐらい、納得のいかない売られ方をするものも散見されました。

売られるから売られる的な悪循環が感じられ、すぐ回復というのは難しいかもしれませんが、長期で考えれば絶好の買い場となっている銘柄もあります。

辛い時間帯となっていますが、焦って変な判断をすることなく、いいものは冷静に拾っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ポートフォリオマネージャーつぶやき

1000億円規模の投資運用を行ってきたファンドマネージャーの観点から、グローバル&日本、マクロ&ミクロ、株・為替・債券・コモディティー(暗号資産含む)・不動産を複合的に分析し、その結果を日本株の投資判断に落とし込みます。相場の流れを読み、リスクを取る局面なのかそうではないのかの判断、デルタ(リスク)の方向性とコントロールの方法、どの個別株で勝負すべきか、などの投資判断をお知らせするコラムです。 [1.日本株全体の動きとトレンドをお伝えします。 2.後場特有の大きな需給動向について、特別な状況で有り・無しがありそうな場合にはその判断もお伝えします。 3.ファンダメンタルズの裏付けが取り切れていないのだが、ポートフォリオマネージャーとして注目している銘柄を、フィーリングとスピード重視で【参考銘柄】としてお伝えします。]