先週金曜日発表の米非農業部門雇用者数(2021年4月)の数字が、コンセンサスを大幅に下回ったことに端を発した昨夜の米株の弱さにより、日本株は本日大きく売られました。
米金利上昇懸念の高まりによるものでしたので、グロース株の多い米ナズダック指数指数の下げが大きく、結果東証マザーズ指数の下げがきついものとなりました。
以前までは悪い経済指標がでると、米テーパリングが遠のく(低金利がまだ続く)という見方によって株は買われるという「不景気下の株高」が継続していました。ですが今回の雇用統計はその中身を見てみると、経済再開により求人が急増し、労働者の確保ができていないという「好景気」的な側面が色濃かったので、金利上昇を引き起こし、結果グロース株が売られるという展開となってしまいました。
金利が上がったとはいえ米10年債で1.6%越えぐらいと、前回(3月末)に1.7%を超えたレベルまでは達していませんので、それほどビビる必要もないように思えましたが、前回が金融市場主導の金利上昇だったのに対し、今回は実体経済主導の金利上昇でしたので、ビビり度合いが強いものになったようです。元々グロース株は2月以来天井感が出ていましたので、少し売られるとそれが売りを呼ぶという悪循環も生みやすくなっていますのも災いしました。
好景気に向かっているという事が確認されたということで、長期的に株高方向なのは間違いないのでしょう。特に日本株はワクチン接種率の低さもあってグローバル株式市場に対して出遅れてますし、金利上昇したとしても大幅にはならないでしょうから、期待は膨らむところです。一方で、今回の決算発表シーズンではコンサバな予想を出してくる傾向が目立ち、業績主導で上げるというのは中々難しそうです。個別でも物色テーマで大きいものが無く、その面でも盛り上がりに欠けます。しばらくは米株に左右される展開が続きそうです。
株価の動きがファンダメンタルズによるものではなく、雰囲気というか需給というかに左右される側面が強くなっていますので、株価動向を読むにあたりテクニカル(チャート)に頼る度合いが大きいマーケットになっています。
日経平均でいうと、前回コメントした直近安値28,419.84円を割らなければよし。割ると次の下値のメドは27,800円となりますので要注意。
東証マザーズ指数は直近安値が1,113.58(3/9)で、現値1,117.35とほど近く、すぐにも割ってしまいそうです。下値のめどもあまりないため、割って下に行くようであれば、グロース株は少し軽くした方がいいでしょう。東証マザーズ指数そのものをみるよりは、米ナズダック指数で見た方がいい部分もあり、こちらは下がったとはいえまだ粘ってる印象ですので、その頑張りに期待したいところです。
戻し始めたらのっていきたいですが、ここから下げる局面では中途半端なレベルで買い増しを急がないようにしたいと思います。
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