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【総評】    

 

投資主体別売買状況・現先合算(75週)-生損保、政策保有売却目立つ

7月第5週(728日~81日)の現物と先物の両取引を合算した投資主体別の売買は、海外が16週ぶりの売り越し(-3,500億円)、個人は4週ぶりの買い越し(+900億円)。

同週の日経平均は軟調。東京エレクトロンの下方修正を受けて半導体関連が指数を押し下げる中、海外は久々の売り越し。個人は買い越しとなった。

海外と反対に自己が大幅に買い越しており、ポジション異動があった可能性がある。財務省ベースでは、海外は1,900億円の小幅買い越しであり、海外が売り越しに転じたとは言い切れない。

 

尚、生損保3,000億円の売り越しに関しては、【トヨタ株、市場外2,500億円クロス 政策保有の大規模売却】 が影響している。

報道によれば、MSADが有価証券売却益1,231億円を計上~30日、子会社の三井住友海上とあいおいニッセイ同和が保有する政策保有株を売却したと発表、売却益1,231億円を2026年3月期の7~9月期計上、売却日は7/30となっており、これがトヨタの売却であろう。

 

信託に関しては1千億円ほどの売越し(‐1,100億円)となっているが、GPIFの動きは無かったと思われる。

 

そのGPIFだが、足元の日本株のウエートは25%台半ばにあると思われ、今年度のバッファー±1%(ウエート24%26%)から、ウエート調整売りが接近している。

水準感としては、TOPIX3,100pt(大体NK225で42,500円)から上は、売りに警戒が必要となる。

売り手法に関してはTOPIXパッシブ現物売り、TOPIX先物売り、あるいは併用でのオペレーションとなるであろう。

GPIFのリバランスは、あくまでも機械的に実行されるもので、日本株に対して弱気ということではない点には注意が必要だ。

 

1】現在進行中のインデックスイベント 

2】今後のインデックスイベント

3】スケジュール一覧

 

 

1】現在進行中のインデックスイベント 

  • MSCI 8月定期リバランス(8/26)|公表8/8   

MSCI Japan Standard(カレンダーの都合で8/26

88日日本時間早朝、MSCI定期リバランスが公表されています。スタンダード指数では、除外採用銘柄は予想通りでした。

8日の相場展開は、一旦材料出尽くしで、逆方向の展開となりました。

スタンダードの出入り銘柄は以下の通りですが、日本株全体としては、300600億円の資金流出が見込まれています。

除外:リコー(7752)、オムロン(6645)、ホシザキ(6465)、小野薬(4528)、電通(4324)

1日平均売買高の4~9日分

採用:良品計画(7453)、川重(7012)

1日平均売買高の1日分

 

  • TOPIX_8月 リバランス(8/28

8月のTOPIX月末リバランスは微調整にとどまると見られます。

今月は、四半期ごとのFFWリバランスとは異なり、通常の月末リバランスとなります。

メインは新規採用銘柄(買い方向)のライフネット生命(7157)で、想定買いリバランス株数は約540万株・130億円となります。一日平均売買高に対して、14日分と影響はある程度ありそうです。

売り方向は、LINEヤフー(4689)が中心で、想定売りリバランス株数は約1,400万株・70億円・ 0.4日分と影響は軽微です。売り方向は、その他、TOBによるFFW低下銘柄などが含まれますが、これらの銘柄のインパクトはありません。

その他、買い方向の金額に対して不足分は、TOPIX全体を広く浅く買うことになります。

 

  • JPX400定期入替(8/28

年一回の定期入替となります。JPX400は、いわゆるスマートβと言われるパッシブ・ベンチマークです。

一時期、GPIFでも採用されていましたが、全て解約されて数年経過している事もあり、注目度が低下しています。

しかし、インデックスイベントのセオリーでは、注目されていないリバランスは順方向で決着しやすいので、注目しておきたい案件です。

 

特徴としては、定期入替えが年一回であり、売買代金回転率(=ターンオーバー)が大きい事、運用規模は、ETF中心に5兆円と少なく事、そして、冒頭に記した通り、注目度が低い事・・・が挙げられます。

 

今回のリバランスは、ターンオーバー片側7%強・金額3,600億円と想定されており、決して無視できるサイズではありません。

売り銘柄上位は、武田、任天堂、重工、ソニー、京セラ、NTTデータ(TOB銘柄)、買い銘柄は、SBGIHI、トヨタ、物産、信越、JR西などとなっています。

公表されたのは、87日引け後でしたので、公表を受けた初日の8日の相場展開は、SBGの大幅上昇もあり、大きく順方向となりました。

 

 

2】今後のインデックスイベント

  • 先物ロール(メイン9/8-10 | SQ  (9/12

 

  • 配当再投資先物買い(メイン9/26)|権利付き最終(9/26

 

  • TOPIX_9月 リバランス(9/29

 

  • 日経平均定期入替え(9/30

 除外候補:カナデビア(7004)(株価換算係数0.2:想定リバランス株数600万株)、オークマ(6103)(同0.4:想定リバランス株数1,200万株)、トクヤマ(4043)(同0.2:想定リバランス株数600万株)

 採用候補:SHIFT(3697)(同1.0:想定リバランス株数3,000万株)、パンパシ(7532)(同1.0:想定リバランス株数3,000万株)

確定分の買い:ベイカレ(6532)は分割採用の2回目、想定リバランス株数1,500万株

 

 

【3】スケジュール一覧

 

 

 

 

 

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インデックス(リバランス)分析のコラム

収益機会として日経平均のリバランスを利用したトレードははあまりにも有名ですが、TOPIXについても収益のチャンスは大きいといえます。また違った切り口でのインデックス投資のニーズが機関投資家から年々増すとともに、MSCI(サブシリーズ含む)、FTSEはその残高を増やし、そして新たに生まれたスマートベータインデックスも重要度が増しています。このコラムではそうしたインデックス(主にリバランス)についての分析、そしてそれを投資に生かす提案を行います。

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