日経平均は昨日29,000円割れとなりましたが、本日の引けで日経平均、TOPIXともにまだ年初来プラス。雰囲気が凄く悪化しているわけではありません。ですが7月初旬から続いていた割と分かりやすい上げ相場は、残念ながら一旦終わった感が色濃くなってきました。
米インフレピークアウト感から始まった戻り相場ですが、マーケットが落ち着き始めてボラティリティが低下し、CTAなどのアービトラージ系の投資家が買戻しを始め、それが他の投資家の買いを誘発して徐々に上げてきたという感じが強かったですね。ですがVIX指数(S&P500指数のボラティリティ指数)は20近辺、日経平均VI(日経平均のボラティリティ指数)は18近辺で下げ止まり、絶対値的には低位安定なのでそれなりの買いは呼び込めるのですが、一層下がりそうだから早く買い戻さなければ的な買いは望めなくなっており、買い圧力が低下しています。
2.5%台まで下がった米10年債は3%にまた迫りつつあり、WTI原油先物は90ドルを回復したりと戻り基調、ビットコインは25,000ドルの壁を抜けきらず21,000ドル台まで下げていると、リスクオフの指標が増えてきました。
日経平均、TOPIXが年初来マイナスにならなければまだ買えると思っているのですが、とりあえずはロングを少し減らす局面だと思います。
また、月初来で東証マザーズ指数+4.1%、東証グロース市場指数+4.2%と、ボラティリティ低下による買い需要の恩恵を、一番受けてきたのが中小型株です。先ほど述べました通り、ボラティリティはまだ低位安定ですので、上昇に転じなければマクロ系投資家からの大きな売り圧力を受けることはなさそうですが、個別株では今日は利食いで大きく下げるものも目立ちました。一昨日のコメントでは大きく上がった銘柄を売り、下がったところから戻し始めている銘柄の買いというスイッチをお勧めしましたが、今は売りを少し急いで買いは控え、ポジションを減らす局面だと思います。
来週はジャクソンホール会議があり、少し荒れた展開も予想されます。上下どちらもあるのですが、ポジションを減らし気味で臨み、イベント後に動き始めた方についていく、そうしたトレーディング的な動きを推奨します。
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