昨日の日銀金融政策決定会合の結果発表後の日本株の値動き、オーバーナイトでの米株の強さからは想像し難かったですが、本日の日本株は、日経平均-2.5%、TOPIX-3.2%、グロース250指数-3.8%と大幅安となりました。
正確に言いますと、昨日引け後の植田日銀総裁の会見ぐらいから雲行きは怪しくはなっていまして、ドル円が152円台後半から150円すれすれぐらいの円高、日経平均先物が38,500円(昨日の現物指数引け値は39,101.82円)になっていましたので、今日下がるだろうという予想はありました。
決定会合結果発表時点では、緩和的な金融環境維持となっていたところ、会見において、状況によって利上げはまだあるというコメントはいいとして、0.5%を壁(利上げの一応の上限の目安)とは考えていないという発言をして、どこまで利上げが続くのかという恐怖を市場関係者にひき起こしたのが非常に悪かったです。
昨日14時半以降の全体の上げは半導体株の急騰主導による上げでしたので、その分の1%ちょいぐらいが下がるのはしょうがないかと思ったり、でもオーバーナイトでの米株が、S&P500が+1.6%、ナスダック総合指数+2.6%、フィラデルフィア半+7.0%と非常に強かったですので、それに日本株も支えられるのではという期待もあったのですが、全く裏切られる結果となりました。
指数の下げはある程度覚悟しており、それだけならいつもの調整ぐらいで大したことは無かったのですが、今日の下げは指数の下げの大きさのみならず、中身が悪いというか、個別株の下げは指数の下げの2~3倍といった体感のある下げで、個別株プレーヤーには非常に厳しいものでした。
決定会合後の日本株、ドル円などの動きを見て、マクロ系やファクター系のファンドが大きく売りを出してきたようです。そうした売りは、ファンダメンタルズは関係なく機械的に売ってきますし、今日は指数だけでは無く個別株のポートフォリオでも売りを出してきたようですので、良く知っている、(ファンダメンタルズが良く)皆がよく持っている銘柄が売られていました。これが辛かったです。そうした売りによる下げを見て、ファンダメンタルズ系のファンドも売りを余儀なくされるところもあったようです。
こうした売りは、度々コメントしていますが、いつ終わるかは非常に読みづらいものです。しかし、いつまでも続くものでもありません。売りが終わる一つも目安としては、円高が止まるところですが、こちらはコンセンサス的には行っても145円ぐらいでしょうか。テクニカル的に日経平均の36,000円ぐらいというのもザックリの下値のメドとしてはあります。
145円まで円高が進む、36,000円まで日経平均が下がるという予想ではなく、あくまでも行ったらそれぐらいというメドです。そこにいくまでに株価が反転するのであれば、それは買いで乗っていきたいですし、そうなるまでは、うかつなところで買ってしまわず、じっくり様子見ということになりますね。ご注意を。
(参考)前回の金利上昇局面
2006~2007年まで遡ります。(2008年のリーマンショック後にまた金利下落局面へ。)
当時と今とではグローバルの金融市場の状況が全く違いますので、あくまでもご参考まで。
2006年3月に、「量的緩和政策の解除」とゼロ金利政策への移行(オーバーナイト金利の誘導目標を概ねゼロ%)
2006年7月に、オーバーナイト金利の誘導目標引上げ(0%から0.25%へ)
2007年2月に、オーバーナイト金利の誘導目標引上げ(0.25%から0.5%へ)
このなかで、昨日の日銀金融政策決定会合の結果に一番近いのは2006年7月14日のケースとなりましょうが、このときの日経平均の引け値の動きは、
2006/7/13 15,097.95円
2006/7/14 14,845.24円
2006/7/18 14,437.24円
2006/9/5 16,385.96円
(その後、2007/2/26 18,215.35円まで上昇)
結果発表日前日を起点とすると、その2営業日目の引け値までで-4.4%となった後は、上昇局面となりました。
(バブル崩壊後、1997年の北海道拓殖銀行破綻を発端として金融危機が始まり、銀行再編や公的資金注入、量的緩和により金融システム安定化が図られました。日経平均は2003年4月に7,607.88円でようやく底打ちし、2007年まで上昇相場となりましたが、その年のパリバショックを経て、2008年のリーマンショックへと至ります。懐かしい。。。)
ポートフォリオマネージャーつぶやき
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