米株市場で、GAFAを筆頭にしたグロース株の調整が一巡し、今年の後半にかけての米景気悪化がどの程度かが、最近の主要な話題となっています。先週初めは景気悪化に厳しい見方が目立ちましたが、週末にかけてそれほど悪化しないのではという見方への揺り戻しがありました。しかしだからと言って米株反発というよりは、単に方向感を欠く展開になっています。
日本株は決算発表のピークは明日で終えますが、第3四半期実績も通期見通しもパッとしない割には、全体としては底堅い雰囲気となっています。これくらいの悪さまでは想定の範囲内ということなのでしょう。通期実績、そして来期の見通しが出てくる4月末から5月初までは、決算を手掛かりにして全体相場を読むのは難しいかもしれません。
そうした状況の幕間つなぎで決算系、一部の材料株系が賑わう以外は、ドル円動向からの日経平均の動きだけが日本株市場を支配している感があります。先週金曜日に植田和男氏の日銀総裁就任報道が出た瞬間は、タカ派との見方から一瞬円高方向に振れましたが、その後の植田氏の分析や報道などで、現在はハト派的な見方で円安方向に振れています。売られていた日本株(日経平均先物)も、現物株市場の引けにかけて、そしてその後現在まで戻しており、弊社的にはいつもお馴染みのレベルだなと見ている27,500円近辺で取引されています。
3月で0.25%、5月で0.25%の利上げで米政策金利の利上げは終了が堅いコンセンサスになっていたのに、先週はそれ以上の利上げを見込む動きがわずかですが増えてきており、明日夜の米1月CPI発表の注目度が上がっています。そのせいもあって、今日の日本株は全般小動きであり、中小型株はリスクオフで売られる展開となりました。明日も同じような状況が続きそうです。米1月CPIは無難に通過して、明後日水曜日には中小型株がリバウンドを見せる展開を想定しています。
現状ではまだ小さいリスクですが、あるいはリスクというよりは雰囲気への影響力という意味で、先月の17,000ドル割れのレベルから24,000ドルオーバーまで戻していたビットコインが、21,600ドル近辺まで調整していることに注目しています。上げが急ピッチでしたので、当然のスピード調整ではありますが、先週来、仮想通貨取引所クラーケンのステーキングサービスが米SECにより違法認定されたり、仮想通貨会社パクソスの発行するBUSD(仮想通貨取引所バイナンスのUSD)が無登録証券であると、これまた米SECが提訴方針であったりと、仮想通貨に規制の波が来ているのが気がかりです。BUSD(時価総額第7位)がドルペッグを外れたり、BNB(バイナンスのガバナンストークン、時価総額第4位)が暴落するようになれば、昨年のLUNA-TERRA(UST)ショックよりも大きいショックになりますので、可能性は非常に小さいとは思いつつ、一応警戒しております。
ポートフォリオマネージャーつぶやき
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