昨夜の米5月CPIは予想より低い+3.3%(前年比)で、インフレ懸念を和らげる数字(利下げ期待を持たせる数字)でした。しかしその後の米FOMCの結果発表は、想定通り政策金利変更無しでしたが年内の利下げ予想を1回に減らすもので、タカ派色の強いもの(利下げ期待が薄まるもの)となりました。で、パウエル議長の会見は、少なくとも利上げは無い、利下げを急ぐ必要はない、しかしデータ次第であるという内容であり、利下げ期待を抑えつつも利下げにやぶさかでは無い的な見事なまとめとなりました。

 

一連の動きはそれほど悪く無いと市場は受け止め、年内利下げは2回がコンセンサスとなって金利は低下し米株は上昇。日本株も当然連れ高が期待されましたが、高寄りの後は大引けにかけてただずるずると下げる展開になりました。円金利低下により金融株、景気敏感株が売られたのが主因ですが、円安傾向なのに輸出株も下がっていたりでしたので、引き続き日経平均39,000円以上では売りがかさみ、買い手不足でもありと、手掛かり難が続いております。ディスコ、三菱重工、ダイキン、SMCなどが強かった機械セクターがトップパフォーマーで、相場の大きな流れができないうちはこの辺の銘柄がねらい目になりそうです。

 

グロース250指数は+0.0%と辛うじてプラスでした。前場は踏ん張っていたのですが、後場になって耐えきれず下げたという感じでしたね。米金利低下はグロース株にポジティブで期待しましたが、明日の日銀金融政策決定会合も気になったのかもしれません。個別銘柄的にも、主力銘柄の値動きがバラバラかつ値動きが大きく、今日はあまり筋のいい動きではありませんでした。

 

個人的に非常に楽しみにしていた投資部門別売買動向(6月第1週)での海外投資家の動きでしたが、期待していた買い越しにはなりませんでしたが、75億円の売り越し(現物+先物ベース)であり、80億円以内の売り越しであればグロース250指数は週次でプラスというパターンは守られました。そしてなんといっても個人投資家が復活し121億円の買い越し。グロース250指数で600近辺は個人が買い支えるのだなという非常に心強い結果です。600のサポートを信じて、慎重ながらも中小型株は買いスタンスで勝負していけそうです。

 

明日は朝にメジャーSQ、お昼に日銀金融政策決定会合結果発表。イベントを超えて、少なくとも中小型株だけでもあく抜け上昇といきたいですね。

 

 

 

 

 

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ポートフォリオマネージャーつぶやき

1000億円規模の投資運用を行ってきたファンドマネージャーの観点から、グローバル&日本、マクロ&ミクロ、株・為替・債券・コモディティー(暗号資産含む)・不動産を複合的に分析し、その結果を日本株の投資判断に落とし込みます。相場の流れを読み、リスクを取る局面なのかそうではないのかの判断、デルタ(リスク)の方向性とコントロールの方法、どの個別株で勝負すべきか、などの投資判断をお知らせするコラムです。 [1.日本株全体の動きとトレンドをお伝えします。 2.後場特有の大きな需給動向について、特別な状況で有り・無しがありそうな場合にはその判断もお伝えします。 3.ファンダメンタルズの裏付けが取り切れていないのだが、ポートフォリオマネージャーとして注目している銘柄を、フィーリングとスピード重視で【参考銘柄】としてお伝えします。]