欧米市場での株安のあと、本日の日本株は安い展開でした。

昨夜の欧米市場は、想定よりもタカ派だったECBの金融政策(利上げとQTの見通し)と、米小売売上高が予想より悪い数字だったことで、欧米株がともに大きく売られる展開となりました。米株市場で、インフレや金利に敏感なマーケットは一旦終了した雰囲気のなか、フォーカスはリセッションの時期・深さに移行したようで、景気が悪いから金利が下がって株にポジティブという流れがなくなるのであれば、リセッションには普通に株安で応えることになります。

一難去ってまた一難という感じですが、業績に左右される業績相場(といっても逆業績相場ですが、)になるということは、ファンダメンタルズで勝負できる、読みやすいマーケットになるという意味ではポジティブです。

 

日本株は引き続き相対優位であり、下げも限定的なものとなりました。日経平均-1.9%、TOPIX-1.2%となっていて、欧米市場に引きずられやすい日経平均の下げはまあしょうがなく、TOPIXの下げ幅でみればまあそれほど下げていないなという感触となります。

中小型株界においては、昨日に引き続き個別株に買いが入っており、決算を受けて激しい動きする銘柄以外では、堅調な銘柄が目立ちました。東証マザーズ指数とその先物の動きを見ていますと、昨日から指数(現物)に対する先物のディスカウント幅が大きくなっており、現物株買い、先物売りの動き(ヘッジファンドによる、ポジション積み増しのための現物株買い、ヘッジで先物売り)が継続的に入っている一つの証拠となっています。来週もこのスプレッドを見ていれば、ある程度中小型株界の需給が読めそうです。欧米投資家勢がクリスマス休暇で静かになり、材料難の中では、結構重要な指標になりそうですね。ファンダメンタルズが効いているので、ポジションをあまり小さくはしたくないのですが、全体の相場が悪い中では少し小さくするか、できる方は先物を売ってヘッジして凌ぎたい局面です。

 

 

 

 

 

 

 

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ポートフォリオマネージャーつぶやき

1000億円規模の投資運用を行ってきたファンドマネージャーの観点から、グローバル&日本、マクロ&ミクロ、株・為替・債券・コモディティー(暗号資産含む)・不動産を複合的に分析し、その結果を日本株の投資判断に落とし込みます。相場の流れを読み、リスクを取る局面なのかそうではないのかの判断、デルタ(リスク)の方向性とコントロールの方法、どの個別株で勝負すべきか、などの投資判断をお知らせするコラムです。 [1.日本株全体の動きとトレンドをお伝えします。 2.後場特有の大きな需給動向について、特別な状況で有り・無しがありそうな場合にはその判断もお伝えします。 3.ファンダメンタルズの裏付けが取り切れていないのだが、ポートフォリオマネージャーとして注目している銘柄を、フィーリングとスピード重視で【参考銘柄】としてお伝えします。]